愚作・失敗作の名手

画像 『愛のお荷物』
1955年/日活/DVD版:111分
監督:川島雄三
脚本:柳沢類寿/川島雄三/他
助監督:今村昌平/浦山桐郎
出演:三橋達也/北原三枝/他

画像 『洲崎パラダイス 赤信号』
1956年/日活/DVD版:81分
監督:川島雄三
原作:芝木好子
脚本:井手俊郎/寺田信義
出演:新珠三千代/三橋達也/他

画像 『女は二度生まれる』
1961年/大映/DVD版:99分
監督:川島雄三
原作:富田常雄
脚本:井手俊郎/川島雄三
出演:若尾文子/藤巻潤/他

画像 『雁の寺』
1962年/大映/DVD版:97分
監督:川島雄三
原作:水上勉
脚本:舟橋和郎/川島雄三/他
出演:若尾文子/木村功/他

画像 『人生のお荷物』
1935年/松竹/VIDEO版:67分
監督:五所平之助
原作:伏見晁
脚色:伏見晁
出演:斎藤達雄/吉川満子/他


 川島雄三は愚作・失敗作の名手と言われているが、アチャラカでの失敗はキツイから、ふり幅が広くなっちゃって言われちゃうんだろうと思う。
  「驚きももの木20世紀」 の 「サヨナラだけが人生だ 映画監督・川島雄三」 (動画:/ / / / ) で、三橋達也は 「天才肌で非常にシャープな人」 と評した。他にも、カメラマンの高村倉太郎、桂小金治、藤本義一、若尾文子 (NECO耳より情報 若尾文子スペシャルインタビュー) などがコメントしている。

  「愛のお荷物」 は日活時代全九作品の一作目。楽しんで観られる。
 アンドレ・ルッサンの戯曲 「あかんぼ頌」 を基にしているそうだが、五所平之助監督の 「人生のお荷物」 のパロディでもある・・・?
 他にも、やはり五所監督の 『マダムと女房』 (1931年) と 『東京マダムと大阪夫人』 (1953年) とか・・・。 川島雄三は五所作品が好き・・・?
 生みの親には諸説ある言葉 「重喜劇」 は 「愛のお荷物」 の予告編で使われていた。予告編は助監督が作る事が多いので、今村昌平の川島雄三作品を評しての造語という事でいいのかも・・・。また、単純に軽い、重いというだけでなく、複数の要素が重なるという事でもあるようで。 (画像: / )

  「洲崎パラダイス 赤信号」 は川島雄三自身のお気に入りで、日活での五作目。 「幕末太陽傳」 と共に日本ーヴェルヴァーグに数えられている。
 DVDのフォト・ギャラリーによると、洲崎パラダイス前の 「千草」 の店内はセットでの撮影。撮影の高村倉太郎いわく、セットとロケの切替の上手さは 「映画の教科書」 との事。
 日活移籍後の川島作品の出来に満足なのか、今村昌平はにこやかな笑顔。浦山桐郎もちょびっと写っている。

  「女は二度生まれる」 は若尾文子主演の大映三部作、第一作。
 最初に思ったのは、アングルとカメラワークが見事。ローアングルで統一でされている訳ではないけど、小津安二郎を彷彿とさせるアングル、そこからのカメラワークが素晴らしい。
 それまで関わりのあった男達とさよならして、最後は未来へ・・・。

  「雁の寺」 は大映三部作の第二作 (三作目は 「しとやかな獣」 ) 。
 挑戦的と言うか見事なアングルが続く。実相寺昭雄とか影響を受けてそう ( 「無常」 とか、 「曼陀羅」 とか・・・) 。
他にも、影響受けたんじゃないかと思うのが・・・。誰だった (何だった) かな・・・。鈴木清順じゃなくて・・・。増村保造・・・。う~ん・・・。
 原作では、慈念は出奔し 「北陸路から近江の山寺までさすらった後に落命する」 との事。

  「人生のお荷物」 は観るには観たのだが・・・。
59分でブチッと切れて・・・、後が無いから結末は分からない・・・。
  「人生~」 はまだ小さい息子をめぐる話で、 「愛の~」 は生まれてくる赤ん坊をめぐる話。まあ、モチーフとして似ていると言えば似ている・・・って感じ。
パロディでなくても問題ないので、問題なし。

  「愛のお荷物」 だけでなく 「洲崎パラダイス」 でも今村昌平と浦山桐郎が、大映三部作では湯浅憲明が助監督として仕事をしている。
 死去時の監察医の言葉が 「心臓に幾分かの弱さはあったが内臓は健全、いたわっていれば相当長生きをする身体でしたが・・・」 だそうで・・・。
 観たかったな・・・ 「寛政太陽傳」 。

『同時代史』 (タキトゥス/ちくま学芸文庫) を読む。

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